消費税増税後に景気は落ちているのか?
こんにちは
増税後の現状についてお話します。私の専門は飲食店それもインバウンド(訪日外国人観光客)中心なので、少し距離感をもって外食産業について見れてるかなと思います。これは正直言って影響はありますよ!外食産業には厳しいと言わざるをえない・・何故かって?軽減税率これもネックだと思います。俺は安売り王になるんだ?
1.増税後の現状と大手の対応
消費増税と軽減税率、ポイント還元の3つが同時に行われたことで、外食のドタバタ
大手チェーンも各社様々な対応があるようで、そこにコンビニのテイクアウトの好調な中食の流れがごちゃ混ぜな外食に新たな波をつくってる。値下げによって消費税増税分を補填する考えなのか、客離れを恐れてなのか?あえて値下げに走る大手チェーンもある。牛丼3社は今のところ増税後の売上好調でこのあたりも結局のところ消費者が買い控えをしている表れだと思う。やっぱり安さは武器とのデフレマインドが抜けないんだよね。こんな事をいうと怒られてしまうかもしれないけど、日本の消費者も激安なれしているからね。テイクアウトだと2%の消費税分が安くなるようなイメージなんだね。
だけどさ、その場で食べてお店のサービス提供(水、什器、席、配膳、ごみ処理)を受けることの対価と考えて2%の税金(700円位のランチなら14円安い)をどう考えるかは状況によって微妙じゃないかと思うよ。もちろん、ある程度の規模とテイクアウトも売上の主力にするビジネスモデルを作っている、ハンバーガー、牛丼チェーンなんかはテイクアウトのシステムがあっての事なので個人店レベルの飲食店とは違うけど、店側もテイクアウトの数が売上全体の10%未満でテイクアウト用のパッケージとか袋、箸、スプーン、お手拭き等の用意とそのテイクアウト用のオペレーション、レジでの減税処理の手間とか余計な時間的、物質的なコスト増もあるんだよね。
2.値上げのデメリット?
店内滞在時間の短い店ならテイクアウトが増えても売上を高めることが難しい
店内で滞在時間の短い業態(ラーメンとか)長い業態(カフェとか)で考えると、もともと短い滞在時間の業態だと調理提要のオペレーション含めた時間と食事をとる時間を比べて食事時間の方が短い事もままある訳で、食事時間をテイクアウトによってカットしても、カットされた店内食事の空きを埋め売上アップを図るのは調理時間の手間の方が大きい為に提供食数が増やせずに売上UPは難しい。
滞在時間の比較的長くなりがちなカフェ業態などは、調理時間よりもお茶する時間が長い。テイクアウトで席が空くことで売上をアップさせることが出来る。
消費増税の辛さを緩和する?減税措置にはテイクアウトの売上は消費税据置8%、しかし、テイクアウトで売上アップすることが必須なわけで、それが上手く売上UPに導けない業態なら、負担はむしろオペレーション等が増える。慢性的な人手不足と最低賃金UP等の人件費増、物流コストも上がっていても飲食店は価格の値上げは改悪なのか?自助努力でカバーできない事を把握しながら、自らの家族同然の従業員に負担を上乗せして価格据え置きによる客離れ対策をすることが正解なのか?
それも、再三言っているが増税による買い控えで購買欲が落ちてる。黙っていても購買欲が落ちているのに価格据え置きが抜本的な解決にならないことは明白。
3.軽減税率もネックだと思う理由
軽減税率で消費税があらためて浮き彫りになり目立つ
テイクアウトの話をしつこくしているが、大手チェーンのようなビジネスモデルに初めからテイクアウトをいれていない場合は、軽減税率の対応全てのオペレーションの手間暇がふえる。また、軽減税率8%が目で見える為に消費税10%が際立ってしまった‥同時にマスコミも大騒ぎするからさ10%・10%10%ってね。
4.安売り王になるのは無理ゲー
安売りはお金持ちのものだから「安いものは庶民の味方」ではない「ユニクロの社長柳井さん」はお金持ち
これね大きな誤解だよ。安いものは金持ちのチカラがあってこそ出来るものなんだよ。「安いものは庶民の味方」???
結局どうしたら価格をおさえて消費者に商品を届ける事が出来るのかを考えてみるればわかる。材料を大量発注にできる「スケールメリット」のチカラはうちのような零細企業には無理ゲーなんだよ、コストを下げる為には材料費を抑えて大きな工場でまとめて商品をつくることで一品あたりのコストを落とすことが必要でしょ。そのためにも工場をつくるほどの販売量がなければ、余ってしまい在庫ロスの処分費も経営を圧迫してしまうし売上が小さくてそもそも耐えれないでしょ。
これが出来るのは上場している大企業とか資本が力強い企業、それってオーナーにしろ株主にしろ庶民とは違うよね。上にあげた「柳井さん」とか大金持ちでしょ。激安の勝負が出来るのは小さな個人店や零細企業ではない。そして、外食産業の賃金は比較的低く抑えられているよね。たとえ会社の利益が上がったとしても、それは投資家に株主にと配当も必要だから、大手チェーンであっても外食産業の生産性は高いとはいえないから、それが安さの勝負で勝つ方法論だからさ頼りの綱が「スケールメリット」ではしょうがない。少ない利益の配分も従業員に潤沢に回る構造はない。アパレルなんで業界が違うけどユニクロは正にスケールメリットの王様。
ユニクロや生産性の高いIT産業と違って高い利益を作り出すシステム開発が進んでないから、外食産業の構造はバブル崩壊後激安のムーブメントで進んできて新しいことが試されてもいない。本当に安いものが庶民の味方ならば、安い店で働く従業員は庶民でしょ!庶民の給料はどうですか?味方と言えますかね・・
一流料理人の高級店や高級食材を使う高価格帯の店は個人、零細でも好調な経営の店も多い。それはなぜか?
お金持ちは景気が悪いわけでは決してないから、お金のある人向けの商品は売れているわけで、外食産業の戦略は完全に二分化されてきた。
庶民がめざすには安売り王は無理ゲーなんだよ。
5.インバウンドと消費税
すぐにインバウンドの引き合いに出す百貨店は売り上げ低迷
何かにつけインバウンド(訪日外国人観光客対応)でのデータは百貨店の売上低迷とオリンピック需要の話ばかり、百貨店は外国人が買い物を消費税の影響で控える?まあそういう部分もあるにはあるが、根本的に百貨店で日本人の売上も低迷してるでしょ。ずーっと。なんで日本人に魅力的に見えない百貨店で、外国人が爆買いを続けるの?
それと何度も言ってきてるけど2020東京オリンピック・パラリンピックの需要!「来年オリンピックが開催されるけど今はイベント前だから、日本にオリンピックがはじまる前に日本で観光をしたい!」
いないでしょそんな人、うちに旅行者3万人以上/年も来るけど一人もいませんよ。
「天気予報であした雨が降る予報だから今日晴れているけど傘をさそう!」
いないでしょ
以上それではまた